あなたのいない雨上がり

とうめい、こえ、まぼろしのこと

まばたきのように消えていく
灰になればなにもかも忘れてしまう
わたしにはつかなかった傷
とうめい、こえ、まぼろしのこと
     霖
    群星境
   みえない眸
  膜・満ちる海水
 劣化するみずたまり
かみさまはここじゃない
 半身に哀しいを飼う
  光沢のあるゆび
   ひとり遠雷
    透の湖
     疵
   俄
   薄片
 紛う鯨
  淡の気配
瞼だけ四季
  鍵/眩暈
   春虹

         沱
         終夜
       月の代
        湖底沈棲
      不在信仰譚
        微かの海
         発光
群生する天国のひとつだったね